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平川さんの最終講義 [そのほか]

永久凍土の研究会で平川さんの最終講義に相当する研究発表がありました。
時間変更を知らなくて途中からしか聞けず、本当に残念でした。

印象に残ったことは、各地で地形の調査をした話の後、
この場所で観測してから、風の作用を読む目が養われた、
というような趣旨のことを話されていたことでした。

僕は地形研究のことは詳しくないので、
多くの研究者は自分なりの物の見方を自分で身につけていく
研究分野なんだと思いますが、
そういうものの考え方と
それを意識的に自覚していることがとても興味深く感じました。

そういうことを自覚されて、その意識でもう一度地形を見て、
作業仮説を立てて、というこれまでの研究の進め方。
研究というのは学問分野によらず、そう進めていくものなんですが
発表の中で示されることがどれも面白い。
その面白さは、平川さんが培ってきた観察眼があるからこそ
見つけられることなんだろうなあと
思いました。

聞けてよかった。

翼帯をつけたペンギンは生存率が低い [そのほか]

Reliability of flipper-banded penguins as indicators of climate change
Saraux et al., Nature, 469, 203-206(2011)
日本語要約だけ>

翼帯をつけたペンギンは、繁殖と生存を損なってしまうので、翼帯をつけたペンギンは長期的な環境変動の指標にはならないことを指摘した論文。
産んだヒナの数が39%、生存率が16%も低くなるんだそうです。

氷中の酸化鉄を紫外線で還元させる室内実験 [雪と氷の化学]

Photoreductive dissolution of iron oxides trapped in ice and its environmental implication.
K. Kim et al., Environ. Sci. Technol. 2010, 44, 4142–4148
<読み込み>他の人の紹介を聞いた

 酸化鉄コロイドを含んだ水溶液を凍らせ、その氷に紫外線を当てて鉄の還元の様子を実験した論文。水溶液では還元しない鉄が氷だと効率よく還元される。実験は有機物と一緒の場合などいろいろされている。結晶粒界にコロイドや有機酸が濃縮されるので還元が進むようだ。
 海水が冬季に凍って海氷ができると酸化鉄の還元が促進され、融氷期に二価になり、植物プランクトンが利用しやすい鉄が海水に放出され、植物プランクトンがブルームをおこす。というシナリオが考えられる。
 ヤンガードライアスは、このメカニズムで大量に海水に供給された鉄のおかげで増殖した植物プランクトンが大気の二酸化炭素を吸収して引き起こされた、なんて仮説を「氷づけのマーチン鉄仮説」とか呼んで、何の根拠もなく考えたりしたんだけど、可能性あるか?

過去650年間の南極アイスコア中の一酸化炭素濃度とその炭素・水素同位体比の変動 [アイスコア]

Large Variations in Southern Hemisphere Biomass Burning During the Last 650 Years
Z. Wang et al., Science, 330, 2010
<読み込み>アブストとちょっと

 South PoleアイスコアとD47アイスコア(67°23′ S,154°03′ E)中の大気の一酸化炭素濃度とその炭素・酸素同位体比の変動から、過去650年間の南半球のバイオマス燃焼の変動を議論した論文。結論の一つは、過去650年間で、南半球でバイオマス燃焼は大きく変動したってこと。
 アイスコア中の一酸化炭素濃度って、放出量を反映しているんだろうか?大気の酸化力に影響しないのかな?同位体比の保存はもっと疑問。650年も時間があったら二酸化炭素と炭素や酸素の交換は行われないんだろうか?うーん。ガスのことは勉強不足です。週末にじっくり読んでみるかも。

ドゥンデアイスコア中のダストのSr, Nd比 [アイスコア]

Sr and Nd isotopic composition of dust in Dunde ice core, Northern China: Implications for source tracing and use as an analogue of long-range transported Asian dust
Wu, G. et al., EPSL, 2010, 299, 409-416
<読み込み>アブストと結論

祁連山ドゥンデアイスコアに含まれるダストのSr, Nd同位体比を測った論文。
メインの起源はタクラマカン砂漠であり、ゴビ砂漠は殆ど無視でき、これまでの研究はタクラマカン砂漠の貢献を過小評価している。そして、グリーンランドや北太平洋で採取されたダストの同位体比は、タクラマカン砂漠と同じであり、長距離輸送のダストの主たる貢献は、タクラマカンであると結論している。

SrとNdの同位体比からダストの起源を推測する研究は、ずいぶん前からなされているが、近年は中国の研究機関からどんどんデータが出てきている。負けるな、なおポン!!
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